プレシオサはブランド名で、安い価格で高品質、美しいカットのクリスタルのようなパーツを購入することが可能です。ここでは、プレシオサの成り立ちとプレシオサを生んだクリスタルバレーについてご紹介します。
プレシオサの起源、
クリスタルバレー(クリスタル渓谷)
プレシオサの起源は、今から500年近く前の1548年に、現在のチェコ共和国であるボヘミアの山麓で始まったガラス産業です。後に「クリスタルバレー(クリスタル渓谷)」と呼ばれるようになるこの地方には、多くのガラス工房が生まれ、ガラス加工に関する高い技術を育んできました。
クリアで美しいガラス製品の開発
今から330年以上前の1688年には、既にクリスタルバレーの職人たちは天然クリスタル(水晶)と見分けがつかないほどクリアなガラス製品を作ることに成功していました。その後も彩色ガラスや模倣宝石などの技術を高め、1856年にはガラス製造について学ぶ学校も作られたのです。
パリ万博をきっかけに活用の幅が広がる
1867年のパリ万博の際に衣類の飾りとして用いられた、ダイヤモンドに類似したガラス製品の人気が高まります。それと共にクリスタルバレーの職人たちの技術も上がり、1878年にガラスストーンの底面につけるガラス・コンポーネントを開発しました。これは反射鏡の役割があり、輝きが一層強まります。
さらに、ガラス製品の加工や装着に対する技術革新が重なり、1908年には機械でカットされ研磨されたチャトンというジュエリーストーンが製造されました。その美しく斬新なデザインと使いやすさから、一躍大人気となったのです。
プレシオサの創業
このような歴史があるクリスタルバレーの25の工房がまとまり、1948年にプレシオサが創業されました。ガラスとジュエリーの研究所を設立し、チャトン内の光の反射の研究や環境に優しい鉛を含まないラインストーンの開発など、今も次々に高評価を得るチャレンジを続けているのです。
プレシオサでクリスタルのようなガラス製品を購入する際に、どのような「多面体カット」になっているかが、その製品の輝きを左右します。多面体とはどのような形のことを指すのでしょうか。
多面体とは?
多面体は、三角形や四角形などの平面に囲まれた立体のことを指します。円錐や円柱は展開すると平面になりますが、円錐や円柱の形を保っている際に曲面がありますので、多面体には含まれません。
凸多面体と凹多面体
へこみのない立方体などの多面体を凸多面体(とつためんたい)、星形の多面体のようにへこみがある凹多面体(おうためんたい)に分けられます。プレシオサのチャトンは凸多面体になります。
正多面体
正多面体は、多面体を形成するすべての面が同じ形をしていて、どの頂点にも同じ数の面が集まる多面体を指します。正多面体には次の5種類しかありません。
- ・正三角形の平面4枚で構成される正四面体
- ・正方形の平面6枚で構成される正六面体
- ・正三角形8枚で構成される正八面体
- ・正五角形12枚で構成される正十二面体
- ・正三角形20枚で構成される正二十面体
正多面体では、光の反射が単調になりやすいため、チャトンなどではあまり使用されません。
プレシオサの多面体
「作ろ!ドットコム」で取り扱っているプレシオサの製品は、次の4つの多面体に分けることができます。
- ・ラインストーン:裏側が平面になっている多面体
- ・チャトン:裏側がV字カットになっている多面体
- ・ビーズ:多面体にテグスなどを通すことができる穴が開いているもの
- ・ファンシーストーンなど:しずく状にカットされたものなど
ビーズ以外でも、シャンデリアパーツやペンダントトップ用のものなどは、目的に応じた位置に穴が開いています。