プレシオサのクリスタル

プレシオサはボヘミアンガラスの製造が盛んなチェコで誕生したクリスタルガラスのメーカーです。プレシオサのクリスタルは、光が当たった際に七色に輝き、色味が濃く鮮やかに映えるのが特徴となっています。角度によって様々な色に変化し、高級感や特別感を演出するのも魅力的です。

またその上品な輝きで、シャンデリアや高級ホテル、レストランの装飾などにも用いられています。スワロフスキーなどのクリスタルにはないカラーバリエーションが豊富で衣装の装飾としても人気です。

プレシオサは独自の技術を発展させ、「ハイピュアクリスタル」という技術で輝度が非常に高いクリスタルの開発に成功しています。さらに鉛を使用しないクリスタルの開発にも成功し、環境や人体に優しいクリスタルとして注目されているのです。

スワロフスキーのクリスタル

スワロフスキーはオーストリアで誕生したクリスタルガラスのメーカーです。スワロフスキーのクリスタルは通常のガラスに酸化鉛を32％以上配合した「フルレッドクリスタル」に分類され、透明度が非常に高く水晶のような輝きを放つのが特徴となっています。

プレシオサのクリスタルに含まれる酸化鉛が最低30％なので、よりクリアにキラキラとした輝きが魅力です。プレシオサと比較して高価ですが、その理由にはこだわりの素材に加えて、特殊なカッティング技術が挙げられます。独自のカッティングマシンで緻密なカッティングが実現し、光の屈折率を高めてダイヤモンドにも負けない輝きを放っています。

1548年：クリスタルバレーの誕生

クリスタルガラスを製造する企業などが集まるエリア「クリスタルバレー」がのちのプレシオサ誕生の起源となります。チェコ共和国は古くから、クリスタルガラスの製造が発展してきた国で、この地域で生まれた「ボヘミアンガラス」は細やかで美しい装飾で人々の心を魅了しているのです。

1715年：色つきガラスの融解技術の開発

1715年には、ガラス職人たちの手によって色つきガラスを融解する技術が開発されました。この技術により、クリスタルガラスの融解、形成にかかわる工程が飛躍的に発展します。

1725年：ヴェルサイユ宮殿にシャンデリアを使用

チェコのクリスタルガラスを用いたシャンデリアがフランスの王ルイ15世の命令により、国の王政の象徴でもあったヴェルサイユ宮殿に使用されます。

1760年：ラインストーンの製作

宝石商の「ゲオルク・フリードリヒ・ストラス」の発案によって、ダイヤモンドに似た人口宝石として、金属の粉末を使用したラインストーンが誕生します。ラインストーンはその後、バッグやネイル、衣装など様々な形で活用されていくのです。

1856年：初のガラス宝飾学校の設立

ボヘミアンガラスの町「ヤブロネツ・ナド・ニソウ」に初めてガラス宝飾学校が誕生しました。学校の設立によってガラス宝飾の専門的知識やスキルを習得した生徒が増えることとなり、ガラス宝飾の分野が大きく活気づくこととなります。

1908年：マシンによって「シャトン」を製作

1908年独自のマシン技術によって、「シャトン」の製作に成功します。シャトンの誕生後、様々なデザインの宝石が世に広まることとなるのです。

1948年：プレシオサ本社の設立

1948年、第二次世界大戦後にチェコ共和国の基幹産業の国有化の流れを受け、ヤブロネツ・ナド・ニソウの地にクリスタルバレーの数々の企業が合わさり、国営企業が誕生します。国営企業の誕生ののち企業の民営化が進み、同じヤブロネツ・ナド・ニソウの地にプレシオサの本社も誕生しました。本社の設立によって自社で開発・製造した商品を世界各国に流通させる仕組みが整い、世界中の人々にプレシオサの商品が届くことになったのです。

1956年：ガラスジュエリー研究所の設立

1956年には、ヤブロネツ・ナド・ニソウの地にガラスジュエリー研究所が設立され、ニーズに合ったガラスジュエリーの開発が加速します。